北アイルランド留学日記

2020年10月3日、コロナ禍のなかで渡航して、語学留学をした記録です。

オンライン授業の混沌

 今日はひどい雨。いちにち外には出ず、オンライン授業を受けて宿題をやっていました。夜はテレビでBBCニュースを聞き流すくらい。まだロックダウンして間も無くなのに、虚無感がやってくるのでなかなかこれは大変だと思います。

 そして、今日のオンライン授業は大混乱でした。火曜、水曜、木曜はメインの担任の先生(?)が、90分×2コマの授業を進めていくのですが、なかなか上手く行きません。先生としては、グループワークをブレイクアウトルームでやりたいらしいのですが、teamsはまだ対応していません。なので、先生は、別のオンライン配信ツールと併用しようとしたのですが、学生の側のPCでエラーが起きまくりました。実は私も上手くソフトが作動しませんでした。私はそこそこ新しいMacbook proを使っているので、スペックが足りないとは思えないので、ソフト同士が干渉し合っているのでしょう。

 正直、フラストレーションがたまります。エラーが起きるたびに授業から抜けることになりますし、ほかの学生のエラーで授業の進行が止まってしまうこともたびたび。先生も、授業の最後で「今日はみなさんには申し訳なかった。明日から同僚の技術スタッフにエラーの解消法を聞いておく。だんだん良くなるとは思う」とお詫びのコメント。先生も全力で取り組んでくれているのがわかるだけに、余計に何も言えず、授業が終わった後に「うわああああん」ってなりました。こういうとき、帰り道で「疲れたね」「今日は大変だったね」って、下手くそな英語でも言い合えない環境はつらい!!

 午後は個人面談だったので「オンライン授業に疲れました」っていうと、先生も「全員が今日はそうだよ」と苦笑い。そう、しょうがないのだ。ロックダウンって大変だな、と今更。これでもイギリス在住者はロックダウンに慣れてきているはずなので、今年の3,4月は本当にさらにさらに地獄だったのだろうと思います。

 それと同時に、先生とは授業のレベルについて話し合い。前から薄々思っていた、「私に今のクラスは簡単すぎる」ということを伝えてみました。先生も「君が間違ったクラスに入っていることはわかってる」との返事。私はIELTS5.5-6.0くらいのスコアなのですが、おそらくクラスメイトの過半数は4.0-4.5くらい。本来なら私はもうひとつ上級のクラスに入るはずなのですが、今期は対面授業は1クラスしか開講されなかったので選びようがなかったのです。

 実はこの状況は来る前から想定していました。この学校のアカデミックコースはIELTSのスコアが3.0から入れます。前にオーストラリアで語学学校を探しているときは、アカデミックコースに入るには4.5から5.0くらいの最低スコアを求められていたので、「これはずいぶんと雰囲気が違うぞ」と思っていました。そしてコロナ禍の影響で学生数が少なく、1クラスしか開講されないだろうことも十分に予測していたので、ある程度わかっていました。

 ただし、対面授業だとそんなに気にならなかったのです。先生も私の状況は理解しているので、他の学生は間違いだらけでも「話すことにトライすればOK」という方針だけど、私だけ細かく文法の間違いを正し、より自然な言い方に直してくれていました。私にとってそれはすごく勉強になっていたのです。それに、ほかの学生の間違った英語を推測しながら聞き取るのも、これから英語を使って生きていく上では必要な勉強だと思っていました。ただし、オンラインになると、そんな細かいケアやコミュニケーションの機微はなくなります。つまり、とっても退屈になってしまったのです。

 先生曰く、「君には難しい課題を与えようと努力はしてるけど、今の状況だとなかなか。上級のクラスに移りたいなら、マネージャーに言えばすぐに変われる。でも対面授業はここだけだからね。厄介な問題だよ」との答え。私も「うーん、じゃあ、もうちょっと対面授業を待ってみます」という煮えきらないお返事をしました。今のところ、学校側は2週間後は対面授業再開を視野に入れていますが、どうなるかわからないので、もうオンラインに全部切り替えることになったらクラス移動もやむなしとは思っています。

 ロックダウンがすんなり解除に向かってくれればいいのですが。アイルランド共和国のほうは、6週間のナショナルロックダウンが決定しました。「クリスマスをお祝いするためには、いま我慢しよう」というようなメッセージも流れていますが、私はクリスマスにはもう帰国している予定*1ですしね。それは頑張る目標にはならない……。そして、ぼんやりとBBCをみてたら、地元の科学コメンテーターみたいな人*2が「クリスマスまでにはワクチンが打てると思う」みたいなことを言ってたので、飲んでいた紅茶を吹きそうになりました。それ、フラグ立ててるやん……*3

 昨日はわりと楽観して始まったロックダウン生活ですが、甘くはないなあとしみじみ思っています。いい知らせがありますように。

*1:早速、帰国便がキャンセルになって時間が早まりました。無事に帰れるんですかね、私?

*2:ちゃんと観てなかったけど、医師だったのかな?

*3:1914年6月のサラエボ事件に端を発した第一次世界大戦では、戦地へ向かう兵士たちが「クリスマスまでには帰れるよ」と家族へ別れの言葉を残しました。つまり、12月までには戦争は終わっていると思っていたのです。実際には戦争が終結したのは1919年で、あまりにも長く、おびただしい犠牲を出した戦争になったのでした。転じて、今でも「甘い見通しで実際にはことが運ばない」ことの言い換えになったりします。