北アイルランド留学日記

2020年10月3日、コロナ禍のなかで渡航して、語学留学をした記録です。

「なぜ、今、留学したのか」と周囲の反応

 私は38歳です。この年齢は若いのか、若くないのか。体脂肪と中性脂肪の値がぐんぐんと上がっているのをみると、「若いとは言えないな*1」と思いますし、これからキャリアを積んでいく身としては「まだまだ若い」と思います。私には、長年一緒に暮らしているパートナーがいますが、子どもはいません。仕事は非正規雇用なので、いつ無職になってもおかしくない立場です。そういう意味ではとても身軽です。だからこそ、この状況で留学を選んだと言えるとも思います。

 そもそも、私は専門職で英語はもっと早くに習熟しなければなりませんでした。私のIELTSのスコアは5.5-6.0くらい*2で、項目別だとReadingが他よりもよく、SpeakingとWritingはスコアにばらつきがあります。これくらいのスコアだと、日本では「英語はそこそこできる」ほうに分類されると思いますが、職業上では7.5でも「ずば抜けてはいない」というような状況です。というか、今更、試験を受けている時点でかなり落ちこぼれです。

 だいたい、私は若い頃から英語なんて全然好きではなかったし、苦手意識の塊のまま、この歳になってしまいました。大学に進学して以降、「なんとかしないとまずい」と思い始めて早20年です。なんで20年間も、ぼんやりとそう思い続けてどうにもならなかったのか。私の場合は、国内でキャリアを積むのに精一杯で、英語に専心することはできず、留学するためのお金も時間もほとんどありませんでした。

 そして、やっとのことで掴んだチャンスが、今回の留学です。それがコロナ禍発生で、計画が大幅に狂いました。私も一度、目の前が真っ暗になりました。これまでの人生経験の中で、私は学んだからです。

「次のチャンス、なんてない」

 その時の好機を逃せば、一生できないことがたくさんあります。だから、私には今回の留学もコロナ禍で「諦める」「もっと先に延ばす」という選択肢はありませんでした。国境さえ開いていれば、絶対にどこかに渡航する、と決めていました。

 逆に私がもっと若ければ、「延期してもよかったな」と思うのです。何よりも、状況からみて、留学が難しかった可能性が高いです。たとえば、今は日本の多くの学生向けの留学のための奨学金はストップしています。また、保護者もきっと心配で留学に賛成するか迷うことでしょう。大人だからこそ、自分の決断し、自由になるお金を使って渡航することができました。

 ちなみに周囲の反応は、「そうなんだ」というあっさりしたものでした。パートナーはもとより、私の留学を応援してくれているので、家を開けている間の郵便物等の事務処理から、お金の算段の相談から、何から何まで協力してくれました。仕事先を離れることも特に問題はなく、知人、友人は「向こうに行ったら連絡ちょうだいね」と声をかけてくれました。両親は心配だったようですが、止められはしませんでした。おそらく、私が誰の言うことも聞きやしないことを、みんな知っているからでしょう。

 海外に行くときに、こんなに誰からも羨ましがられなかったのは初めてです。誰ひとり、「いいなあ」と言いませんでした。私はいつも、他人の留学を羨ましがっていたので、自分の時に羨ましがってもらえないのは残念ではありますが、私らしい留学だとも感じます。本当に、本当に、私は留学がしたかったし、実際にしたというだけのことなんだなあ、と思っています。

*1:残念ながら、コロナの重症化リスクも10代、20代よりは高いです。

*2:詳しく言えば、試験対策をすれば6.0ですが、ぶっつけ本番だと5.5です