北アイルランド留学日記

2020年10月3日、コロナ禍のなかで渡航して、語学留学をした記録です。

アイルランド留学を選んだ理由

 コロナ禍の中で、「留学はできっこない」という状況が変わってきたのは7月頃でした。ヨーロッパが国境を開き始め、二週間の自己隔離をすれば渡航が可能になります。私はその頃に、仕事の算段をして、なんとか再び語学留学に出る手を考え始めました。私の条件は3つです。

  • 英語国であること。日常生活を英語で送るという環境が、一番自分を鍛えてくれると私は考えていたので、これは外せませんでした。
  • アカデミックな環境が整っていること。私は、次のステップとして大学へのアクセスを考えていたので、アカデミック英語のコースと図書館があることが必須でした。
  • 対面での授業があること。これは夏の時点では未知数でした。もちろん、語学学校側は対面授業をしたいと考えていますが、実際に開講されるのかはわかりません。ただ、方向として対面再開を考えている学校を優先しました。

 英語国のうち、オーストラリア、ニュージーランド、カナダへの入国は絶望的です。アメリカは、その時点で凄まじい感染拡大が起きていましたから、候補に入れることはできませんでした。残ったの候補はアイルランドと英国でした。

 私が最初に考えたのはアイルランドです。実は私は10年ほど前に、英国のブライトンで1ヶ月だけの語学留学の経験があります。そのとき、私はアイルランドの魅力にはまり、毎週末、飛行機で旅行に出ていました。ホストマザーには「あなたはアイルランドに留学すればよかったのに」と呆れられたくらいです。

 豊かな自然とのんびりした空気。なにより、私は子どもの頃からC.S.ルイスナルニア国物語が何よりも好きで、繰り返し読んでいました。ルイスは英国の神学者ではありますが、子ども時代にアイルランドで過ごした経験や、神話に影響を受けてナルニア国物語を書きました。そして、アイルランドは「妖精の国」と言われるほど神話世界が生活に浸透しています。歴史の中でも、キリスト教が導入されても、土着文化と混じり、独自の空想世界は残ったままでした。もちろん、アイルランドは今はすっかり近代化されています。それでも、どこか「空想世界」の匂いがあちこちに残っている……そんなふうに、若い私は感じたのでした。

 そういう経験もあり、「せっかくだからアイルランドに行こう」と思いました。しかし、アイルランドの語学学校は、オーストラリアとは全く雰囲気が違います。オーストラリアでは、あからさまに留学生確保のためのコースが多かったのに対し、アイルランドはワーホリを中心として文化や生活を楽しみながら語学を学ぶコースが多いのです。私はそこで頭を悩ませることになりました。

 結論から言えば、私は留学エージェント*1に相談をし、いくつかの候補を比較検討した結果、北アイルランドのクィーンズ大学のアカデミックコースを選び、いま、そこに在籍しています。英語で生活する環境で、大学図書館もフルに使えますし、アカデミックコースは対面授業をしています。条件を揃えて留学をスタートできて、本当に良かったとおもいます。

*1:改めて記事を書くつもりですが、この状況では留学エージェントを通して渡航するほうが良いと思います。それもエージェントはよく選んだほうがいいと思います。