北アイルランド留学日記

2020年10月3日、コロナ禍のなかで渡航して、語学留学をした記録です。

ロックダウン中の休日の過ごし方

 今回の北アイルランドのロックダウンは非常に緩やかなもので、最初の二週間は小中高の学校も閉まりましたが、すぐに再開。レストランやホテルは休業ですが、テイクアウトの飲食店はもちろん、一般のお店も営業しています。外を出歩くのは全くの自由で、公園では子どもを遊ばせる保護者で混み合うくらいです。

 それでも、旅行にはいけませんし、外食もできません。私は「もしかするとロックダウンもあり得るかもしれない」と思って、自然が豊かな北アイルランドを選びましたが、正解でした。ブログに書いてきた通り、ベルファストには徒歩圏内やバスで行ける範囲にたくさん自然豊かな場所があり、ハイキングにはことかきません。逆にロックダウンでもないと、こんなに熱心に近場を散策する機会もなかったでしょうから、貴重な経験だったかもなあと思います。

 そして、週末のお楽しみはおうちでのアルコール。寮では飲酒禁止なのですが、実際的には黙認されているようです。ということで、私も週末には静かに少しだけ飲むことにしています。今週末はM&Sの惣菜コーナーの、ラムの香草焼きとフェタチーズのサモサ、エビのオイル漬けに、アイリッシュスタウトです。

f:id:unagi_inu_2020:20201110065508j:plain

 アイリッシュスタウトは、カラメルの風味が強くてあっさりしたビールです。私はベルギービールひいきなんですが、たまには。

f:id:unagi_inu_2020:20201110065649j:plain

 そして、ラベルが可愛かったので買った赤ワイン。安物ですが南オーストラリアのフルボディのワインで、けっこういけました。

 土曜日の夜にBBCのStrictky Come Dancingという、有名人が社交ダンスに挑戦して順位を競う番組があって、私はそれを楽しみにしています。放映後に、投票があって、その結果が日曜日の夜に出ます。ということで、早めにシャワーを浴びて食事を済ませて一杯飲んでから、ベッドに寝そべってテレビを観ます。これはこれで楽しい生活ですね。

ミノウバーン(Minowburn)

 土曜日は早朝から、ベルファストの近くにあるミノウバーンにハイキングに行きました。市内からバスでMarone Hillsまで行き、車道沿いに歩いて行きます。最初はGiants Ringsという広場を目指して林道を歩きます。秋も深まり紅葉が美しいです。

f:id:unagi_inu_2020:20201110060614j:plain

 朝日を浴びながら散歩します。ベルファストは犬の散歩をしている人が本当に多く、よくすれ違います。子犬がじゃれてきたりして笑ってしまいます。一人で山道からきた女性がいたので「こっちには何があるんですか?」と聞くと、「何も!丘を登って降りてきただけですよ。ただのエクササイズなの」とちょっと恥ずかしげに笑っていました。ロックダウン中だけに、体力づくりに励んでる人も多いようです。

f:id:unagi_inu_2020:20201110060746j:plain

 そして馬がぽつんと草原にいました。帰りには遠くを歩いていたので食事時間だったようです。

f:id:unagi_inu_2020:20201110060758j:plain

 このあたりは公園がいくつもあるので、それをまわってみます。写真を撮っていると、突然、女性に遠くから呼びかけられたので「なんでしょう?」と聞きに行くと、「私はこれからここで写真を撮りたいけど、あなたが終わるまで待ってるから。終わったら呼んでね」と言われたので、笑って「もう終わりました」と答えました。

f:id:unagi_inu_2020:20201110060815j:plain

 結局、延々と歩いて市内まで戻ることにしました。15kmくらい歩いたので膝が痛くなってしまいました。だいたい、10kmを超えると足に無理がかかるようです。

f:id:unagi_inu_2020:20201110064504j:plain

 ワゴンサービスのコーヒーショップで休憩。ここはお菓子もおいしかったです。あちこちから人が集まって、川を眺めています。来週はロックダウン解除ですが、どうなるんでしょうか。

f:id:unagi_inu_2020:20201110063437j:plain

 

やっと週末!

 さすがに今週はハードでブログもろくに書けませんでした。なんとかエッセイの第一稿を書き上げて、プレゼンをやって、三本の論文と動画のサマリーを書いて提出。ほかの学生がコツコツと貯めてきた宿題を一週間でやっつけたので、しんどかったです。

 それに加えて日本のことでいろいろあったり、仕事のメールが次々ときたりして、バタバタしました。週末は事務作業をまとめてやったり、ブログを書いたりしたいと思ってます。とりあえず、明日は朝からお散歩に行けたらいいな。

ライティングで褒められる

 オンライン授業は軌道に乗ってきました。まだ、Mはいろいろと疑問があるみたいだけど、私の方は「あとは課題さえこなせばなんとかなるでしょう」と楽観しています。担当のGも、正直、前からいるオンラインのみの学生たちが欠席や遅刻、課題の未提出が多く頭を抱えているらしく、「新しく入った君たちは、ちゃんと課題も出してるし心配しなくていいよ」とのこと。私とMは毎日始業時間5分前には入室している優等生ですしね。

 今日はGから「personal agencyでありなさい」というお説教(?)が学生全体に向けてありました。personal agencyとは心理学の用語で、目の前にある問題に対して解決手段を自ら考え、行動に移すことができるパーソナリティだそうです。「欠席してしまった」「課題がわからない」「課題が難しすぎる」「課題を出せなかった」などの問題があったときに、黙っていないで、自分からGに質問してどうすればいいのか聞いてほしいとのことです。何もしなければこのコースからは脱落するだろうが、もし相談すれば力にはなるとGは繰り返していました。私は黙って問題を抱え込む性格ではないので、そこは心配なくてよかったです。

 むしろ、「え、課題が遅れてもなんとかなるのか」と心の中で衝撃を受けていました。「1分遅れたら失格」みたいな世界に住んでいたので、勝手が違って戸惑います。

 そして、今日はライティングの課題をひとりずつ発表したのですが、私はGにすごく褒められました。「高度な単語を使って、ロジカルなライティングをしていて素晴らしい。IELTSなら、7.0か7.5のスコアが取れるでしょう」とベタ褒めしてくれました。私はふだんのライティングのスコアは5.5-6.0くらいなので、そのスコアは褒めすぎだと思いますが、うれしかったです。

 うまく書けた理由は「アートや音楽は学校教育で重要だと思いますか」という問題に、もともと関心があったからでしょうね。私の長所でもあり、短所でもあるのは、出された課題への関心の有無によって、ライティングの質が大きく変わることです。これは日本語でもそうなのです。興味のないテーマだと、文章がぱさぱさに乾いて干からびていきます。仕事の先輩にあたる人には、「あんな文章を書ける人が、こんなひどい文章を書くの?」と呆れられたこともあるくらいです。さすがに、そういうのは困るので、日本語では文章力のアベレージをあげて、気乗りしない文章でもそこそこ読めるように書けるようになりました。が、英語でも似たようなことが起きてます。アートや音楽の話は、オンラインショッピングの話よりはるかにこなれて書けます。

 こればっかりは、私の癖なのでライティングの試験に対しては、ある程度のテンプレートを作っておいて、気乗りがしなくても6.0-6.5がアベレージで取れるようにしておいて、うまくいけばもっといいものが書ける、という状態にもっていくしかないのだろうと思います。なんにせよ、練習、練習ですね。

新クラスへ移行完了?

 今日から、やっと正式に新しいクラスへ移行……と思いきや、また前の難易度の低いクラスの授業からコールがあって呼び出されました。Gの担当しているコマだったので、彼はクラスの課題を始めるときに、プライベートチャットで「もう、あなたたちはクラスを変更しているから、別の課題をやっていいよ」と言ってくれました。ありがたく、新クラスの課題をやっていたので有意義に時間は使えました……が、「まだ移行できないの〜?」という気持ちに。午後、またアカデミックマネージャーに連絡したので、今度こそ移行完了のはず。

 新しいクラスは、リーディングやリスニングの共通課題がありません。自分のリサーチエッセイに関連する論文や動画を探して、そのサマリーを書くのが課題だそう。しかも今週中に、サマリー2本と、リサーチエッセイのファーストドラフトと、プレゼンテーションのアウトラインを提出しなければならないとのこと。けっこうハードに思えますが、授業中に説明を聴きながら課題を進めていく形だし、今回の課題で点数がつくのではなく、先生からのフィードバックで修正していくことになるので、そこまで心配する必要はなさそうです。今日は、リサーチエッセイのバックグラウンドと、メインボディのアウトラインを授業中に書きました。

 こういう課題なら、自分のエッセイに合わせて難易度は上げていけるので、私としてはありがたいです。問題はスピーキングの機会が少なくなっていること。ただ、後半はプレゼンテーションの練習もあるので、心配しなくてもいいとも思います。

 今日、Gに質問してみたのは、北アイルランドでよく耳にする、謎の「ナァイ」という言葉についてです。よく耳にしますが、相槌のような、つぶやきのような、接続語のような、もうひとつ何を指す言葉かわかりませんでした。Gは授業の開始時に「一般的な英語の質問」も受け付けてくれるので、「ナァイ」について聞いてみました。すると、彼は吹き出して「ああ、なるほどね」と笑っていました。実はこの「ナァイ」はnowのローカルアクセントだそう。口癖みたいに「ナァイ」と言ってる人もいるけど、あれは特に内容のない感嘆詞だったんでしょうね。たぶん、そうだと思ってたけど。

 ロックダウンなので、なかなか現地の人と話す機会も少ないのだけど、できるだけ耳をそば立てて「今のはなんだ?」と思ったらメモっておいて、Gに質問するのがいいかなと思いました。質問の練習にもなりますしね。

 1 ヶ月の滞在では自分のスピーキング能力が上がったとは決して言えないのですが、気がつくと、最初は「Can I 〜?」でしか質問できなかったのに、いつのまにか「Could you 〜?」「Could I 〜?」も使えるようになりました。語学学校の先生たちが、丁寧な言い方をしているのでそれを毎日聞いているうちに、自分もその表現に慣れてきました。本当に小さな一歩だけど、周りの話をよく聞いて、口から自然に出てくる言葉を増やしていきたいです。

【持っていったもの】鞄はどうする?

 英国の留学情報を探していると、「リュックサックは絶対ダメ」という記述に出会うことがあります。リュックなんて危険だし、現地の学生はほとんど使っていないと書いてあるブログもあります。確かにロンドンなどの大都市はスリが多いので、避けた方がいいかもしれません。しかし、ベルファストで暮らしている限り、リュックが危険だと思ったことはありません*1

 特に、コロナ禍では対面授業もオンライン授業と並行していることが多いですし、教材も電子化されています。そのため、教室にはラップトップを持参するように言われます。いくら軽量化されていると言っても、ラップトップはけっこうな荷物になりますから、リュックの方が体の負担はましだろうと思います。

 私が使っているのは無印良品の撥水バックパックです。なんと2990円。

www.muji.com

 とにかく軽いですし、ユニセックスなデザインも良いです。日本だとあちこちで使ってる人をみかけますが、海外では気になりません。ポケットの位置もよく考えられているので、使い勝手も良いです。なにより、汚れてもぼろくなっても「また買い換えればいいや」という気楽さが最高です*2

 実はアウトドア用のもっとしっかりしたバックパックを持って行こうか迷っていたのですが、タウンで使うには不便だったり、重かったりするのでこちらにしました。実際、こちらにきてこのリュックで正解だったと思います。

 ただし、人混みや観光地、空港などでは貴重品をこの中に入れておくのは不安なので、パスポートや財布はノースフェイスのポーチに入れて肩掛けにして、自分の手で抑えるようにしています。 

  こちらは防水なので、万が一、ひどい雨にあったとしても、しっかりとチャックを閉めていればパスポートを守ることができます。

*1:もちろん、ブランドもの(ルイ・ヴィトンなど)のリュックはやめたほうがいいと思います。最近は日本からの留学生でそういうものを持ち歩く学生は、ほとんどいませんね。

*2:私は鞄の扱いが荒いので、高額なものは使う気がしません

【持っていったもの】服装(外歩き用)

 短期留学で大変悩むのが「服装はどうしよう」です。もちろん、現地についてから買う手はありますが、ベルファストのような地方都市では思ったようなウェアが手に入るとは限りません。私は普段から旅行に使っているアウトドアウェアをある程度、持っていきました。アウトドアウェアのポイントは、「水濡れや汚れに強いこと」「持ち歩きのために軽量化されていること」「暑さ寒さが手早く調節できること」などです。そのぶん値段は上がるので、留学前に一気に買い揃えるのは難しいと思いますが、参考に書いておきます。

【アウター】防水のジャケット

 とにかくヨーロッパ、特に北アイルランドは、風が強く雨の降る日が多いです。霧雨のような細かい雨が体に吹き付けることもあるので、傘では間に合わないことも多いです。できればゴアテックスのジャケットがあったほうが良いです。私はエーグルの黒いジャケットを持っているので、それを持っていきました。↓は色と型は違いますがこんな感じのものです。

【靴】防水の靴

 同じく靴も防水が望ましいです。といっても、登山靴では大袈裟です。私はパラディウムのこのスニーカーを愛用しています。

  5年くらい履いていて、そろそろ買い換えようかと思っています。黒なのでタウン使用でも目立ちにくいですし、底がしっかりしているのでぬかるみでも歩けます。泥がついたら、マイクロファイバーのタオルを水に濡らして絞って拭くと、簡単に落ちます。

【ボトムス】撥水加工のパンツ

 できれば、パンツも撥水加工のものがあったほうが良いです。私はエーグルでスリムタイプの黒を買いました。ヨーロッパでは、「スリムパンツ+ジャケット+ストール」の組み合わせをしている人が多いので、ファッション的にも使いやすいです。

【インナー】ウールの肌着

 私はモンベルのスーパーメリノウールの上下を持って行っています。メリノウールの特性は保温性に優れていることと、汗を吸っても肌に残らないことです。ヒートテックなどの発熱性素材を愛用している人も多いですが、私は湿疹が出てしまうのと、汗冷えしてしまうので避けています。

【調節着】薄手のダウン

 習慣としてリュックには薄手のたためるダウンを入れています。休憩中に体が冷えたりするので、出してきて着ます。北アイルランドの10月-11月初旬の気候だと、歩いている時は必要ないです。

【靴下】ウールの靴下

  私はノースフェイスやモンベル のウールの靴下を持っていきました。足元の冷えを防ぐのと、ある程度、足のサポートをしてくれるので、散歩やハイキングに行くときには安心感があります。

【小物】ストール、手袋、帽子

 ヨーロッパで必須なのはストール。首回りを保温できますし、ちょっとしたお洒落には便利です。私はフランスで買ったモダールという素材*1のストールを持っていきましたが、裏表で緑と赤のリバーシブルになっているのが、予想以上に便利でした。

  手袋は散歩やハイキングに行くには持って行った方がいいと思います。素手だと植物の刺や虫でかぶられることもあります。私はこちらもモンベルで買いました。モンベルのいいところはじゃぶじゃぶと水洗いできることです。

 それから、ニット帽もあったほうがいいです。耳が冷えます。ただ、こうした小物はヨーロッパの方が可愛くて手頃なものがあるので、邪魔になりそうなら現地で購入してもいいかな、と思います。

 私はこのあたりを一揃い、持っていきました。防水、防風、保温のためにはこれくらいあると安心です。さらに寒くなると分厚いダウンのジャケットや、保温性の高いブーツが必要だと思いますが、北アイルランドだと11月初旬くらいまではそこまで冷えませんでした。(今後はわかりませんが……)

 もう少し若い人たちはデニムに薄手のジャケットでも平気そうなので、中年以降の寒がりの人向けのラインナップだとは思っておいてください。

*1:植物の繊維から作られたレーヨンの一種で、新素材だそうです。しわになりにくいことが特徴のようです。