ナルニア国物語の仲間たち(CS Lewis Square)とヴィクトリアパーク
帰国まであと一週間。まだロックダウン中ですが、珍しく朝から晴れていたので散歩に出かけました。ベルファストにはC.S. ルイスのファンタジー小説「ナルニア国物語」に関する彫像が街の中に設置されているらしいとの情報は聞いていたのですが、それがどこなのかずっとわかりませんでした。ついに、Googleマップで発見。CS Lewis Squereというそうです。ベルファスト の中心街から車道沿いに歩いていけば見つかりました。
アスラン像。私のイメージよりは細身です。
虚空を見つめる感じがアスランらしさがあって良いと思います。アスランは物語の中に出てくる創造主のライオンです。アスランは、突然現れては消え、唐突に何かを話しては去っていき、全てを知っているがなにも教えてくれない、そういう神様です。
こちらはタムナスさん。
上半身は人間で、下半身は馬です。異世界「ナルニア」には、しゃべる動物たちや精霊たちと人間が共に暮らしています。そこに、魔法の力で、第二次世界大戦下で地方に疎開してきたロンドンの子どもたちが迷い込みます。そこで始まる冒険の物語がナルニア国物語です。
私は幼い頃から岩波少年文庫で「ナルニア国物語」のシリーズを愛読して、心の支えにしていました。幼少期の私は、友だちがひとりもおらず(本当に)、ほとんど誰とも喋らず心の中の世界を生きていました。その世界は、間違いなくナルニアにつながっていました。たぶん、当時は感受性が強すぎて現実に適応できなかったんだと思いますが、その頃の、脆弱な自分を守り、外に出ていくように心を育ててくれたのが児童文学の世界でした。
そういうこともあって、私はベルファストを語学留学先に選んだのもあります。今の語学学校を見つけたのは偶然で、自分の探していた語学プログラムとコースがぴったり合致したので候補にしたのですが、一番心の深いところで「この街に留学しよう」と決めるときには、ベルファストがCSルイスの故郷だったことは関係したと思います。
実際に、ベルファストにきてみると、もうルイスのいた頃の面影はなく、神話世界の記憶をたどるのは、やはりバスで数時間かけていくような北アイルランドの小さな街でした。ロックダウンの影響もあって、今回はニューキャッスルとエニスキレンしかいけませんでしたが、私はアイルランドにご縁があるようなので、また個人の旅行で来訪することになるんじゃないかと思います。不思議と「引っ張られる」ものがあるんでしょう。
幸い、ビジターセンターが開いていたので、記念にアスランのイラストの入ったTシャツを買いました。それからミンスパイ。
ここのビジターセンターは、サンドイッチやパイ、ケーキが豊富で、お茶もおいしかったです。広場では休憩できるのでおすすめです。
そのあと、歩いてヴィクトリアパークへ。スポーツについては、アスリート以外はプレイ禁止なので、サッカー場も閑散としていました。
鳥の鳴き声や、リスが走り回るのを眺めながら散歩をしました。最後の週末です。