北アイルランド留学日記

2020年10月3日、コロナ禍のなかで渡航して、語学留学をした記録です。

難易度の低いクラスへの差し戻し

 金曜日のオンライン授業は、前のクラスに戻されてしまいました。さすがにやる気がしなくて、1コマ目はほとんど授業を聞いていませんでした。オンライン授業の恐ろしいところで、学生のモチベーションが下がると、いくらサボってもばれません。高い学費を払っているので、今まで集中して授業に積極的に参加してきましたが、難易度が急に下がると「こんなの聞いてもなあ」という気分になってしまいました。

 授業の最初の30分は延々と「あなたの国ではハロウィーンを祝いますか?」という日常会話。アカデミックのコースだけど、この先生は受講している学生のスピーキングの機会を増やすために毎回、最初はこういうフリートークをします。アメリカ出身の先生は「アメリカではみんながハロウィーンで盛り上がるんですよ!」と紹介しています。しかし、中国から来ている学生も、サウジアラビアからの学生も、私も「あまり興味はないです」という反応*1。盛り下がったトークになってしまいました。

 大学の学生ユニオンがオンラインのハロウィーンイベントをやっているらしく、その紹介を先生がしてくれたのですが、私が気になったのは別の企画。

Decolonising the Curriculum

https://qubsu.org/Events/DecolonisingtheCurriculum.html

  カリキュラムの脱植民地主義について議論するそうです。こっちのほうが興味ありました。語学学校の学生にお知らせは来なかったので、知らないうちに終っていて、本当に残念。 

 その後、この先生の授業ではブレイクルームでペアワークをやりました。これがまた、苦痛で……。オンラインでのグループワーク、ペアワークは本当に難しいと思います。相手の顔が見えない中で、どちらもさして上手くない英語で意思疎通はないまま、適当に話をして時間だけが過ぎていきました。対面だと先生の介入があるので、横から表現を訂正してもらえたり、うまい言い方を教えてもらったりできますが、オンラインは誰からも助け舟も来ないですし、質問もできないので、コミュニケーションの取りづらい相手とペアになった場合、とても孤独感があります。

 もし、オンラインでペアやグループのワークをやるならば、それぞれの参加者が自由に討論することに慣れているメンバーでないと難しいと思いました。あるいは、各グループにアシスタントをつけて、議論をリードするか。でもそんな人員を割くことは、このコロナ禍で急なオンライン対応をしている状況では、ほぼありえないと思います。前にも書きましたが「対面でできていたこと」を再現しようとすればするほど、オンライン授業は膠着すると感じました。

 次のコマは、早口の先生の授業で、こちらもハロウィーンの話から。でも、この先生は一方的なので、「これ見て、去年の私の仮装」と写真を見せてきたり、途中でスマホが鳴るのでチェックして「わあ、私の友だちが写真を送ってきた。今年はみんな会えないから自撮りを送り合うんだよね。ほら、見て」と画面に写したりと、いろいろおしゃべりしてくれます。そういうのは不思議と楽しく聴けるんですよね。オンライン授業はマイペースで自分中心の先生の方が向いているなあとしみじみ思いました。

 なんにせよ、来週からはやっと新しいクラスへ移行!今度こそ落ち着いて勉強できることを願っています。

*1:サウジアラビアから来ているMは、「宗教的な問題があるのでサウジアラビアではハロウィーンは誰も祝わない」と説明していました。あとでMとMのお姉さんと話した時に、彼は「中国でも日本でも祝わないんだ!クラスメイトがみんなそうだったからよかったよ。おれはハロウィーンは全く興味がない。先生だけが盛り上がっていたが、途中から空気が変わってよかった」と溜飲を下げたようでした。ちなみに、私は「商業主義によって日本ではハロウィーンはここ数年祝われるようになったが、かぼちゃ料理を食べる日になっていると思う。たぶん冬至と混同されている」と言いましたが、先生は困惑して「日本の伝統はわからないけど、かぼちゃは体にいいし、美味しいし、私はかぼちゃ料理が大好き」とコメントしてました。