北アイルランド留学日記

2020年10月3日、コロナ禍のなかで渡航して、語学留学をした記録です。

エニスキレン(Enniskillen)

 束の間のロックダウン解除の間に、北アイルランドアイルランド共和国の境目にあるエニスキレンという小さな街に遊びに行ってきました。長距離バスで2時間半ほどの場所にあります。久しぶりの旅行が嬉しくて、長距離バスに乗るだけで楽しくなってしまいました。

 バスから降りた瞬間に「EUだ!」と思ってしまいました。ここは、もうほとんど共和国側の文化だろうと思います。何が違うのでしょうね。お店の雰囲気かな。街で人気のサンドイッチ屋さんの行列に並び、中で食事をしました。

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 チキンのサンドイッチ。とっても美味しかったです。 ブルーチーズのサンドイッチもあったらしく、そっちでも良かったなあ、とあとで思いました。隣のテーブルのおじさんが美味しそうな何かを食べていて気になりました。ラザニアかな?店員さんはとても親切で、私がうまく英語が聞き取れなくても、何度も説明してくれて、納得いくメニュー選びをさせてくれました。こういうのは、英語ビギナーには本当にありがたいです。

 エニスキレン城を歩きました。ここは、普段は中が博物館ですがお休み。

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 遊歩道になっているのでぶらぶらと歩きます。白鳥のオブジェを発見。

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 風は冷たいですが、雲から太陽が顔を出すと青い空が湖に反射してきれいでした。夏場はエニスキレンからは、船が出ていて島に渡れます。ケルトの遺跡などがあるらしいのですが、11月はもうお休みでした。船着場では女性が鳥に餌をやっていました。

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 鳥たちは餌付けされていて、私が近づこうとすると白鳥が突進してきました。奈良公園の鹿のようなものでしょうか。ちょっと怖かったです。

 中心部から少し離れたところにあるホテルに移動します。近くに丘があったので登ってみました。

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 露出のコントロールが下手であまり雰囲気が映らないのですが、ヨーロッパのあちこちのこういう風景が心にはやたら焼き付いています。秋の夕暮れで、美しいけれど静かで、自分は中に入っては行けないような疎外感とともに、叙情的で泣きたくなるような光景です。異邦人。逆に、海外から日本にきた人は農村を見て同じように寂しさと美のようなものを味わったりするのかもしれないと思います。以前、近鉄奈良線で電車の窓に張り付いて田んぼの写真を撮っていた海外からの観光客がいましたが、似た気持ちでしょうか。

 夕食はテスコに買いに行きました。驚いたのは、ヴィーガン向けのフードが充実していたことです。ベルファストのテスコと全く品揃えが違います。あちこちに「V」のマークがついていますし、ソイミートもフロアの一角を占めています。私自身は、ヴィーガンベジタリアンではないのですが、興味があり、ベルギーやフランスのスーパーにはたくさん売っているのを見ていました。また、ロンドンでもよく見かけます。しかし、ベルファストではあまり力を入れているように見えなかったのですが……。エニスキレンがEUに近接しており、文化的にも近いという影響もあるのかもしれないと思います。

 エニスキレンの街を歩いていると、なぜかスイッチが入って(EUスイッチ?)来年の春から就労予定の都市で家を探して、さくっと契約してしまいました。実はずっと家探しをしていたのですが、自分がいいと思える場所がなくて難渋していました。その都市は家賃がロンドン並みに高く、中心部に住むとなると狭く設備の悪いワンルームでも月に20万円を超える状況です。しかし、エニスキレンのような小さな街にいると「郊外の住宅地で生活してみたいなあ」と思い、その都市でも検索する地域を少し広げると、自分の好みにぴったりの物件が出ていました。それで、思い切りました。実物は来年、渡航してみないとわかりませんが、これで、実際に気に入った家に住めたら、エニスキレンのおかげですね。